卒業旅行の通信手段は、データ専用の海外eSIMが有力な選択肢です。受け取りと返却が不要で、グループ全員が自分のスマホをそのまま使えるため、1台のWi-Fiルーターを共有する方法にありがちな「はぐれたら圏外」という事態を避けられます。渡航先・日数・1日あたりのデータ量の3つを決めて、出発の数日前までに全員分をまとめて申し込むのが、いちばん失敗しにくい準備手順です。
卒業旅行の計画って、行き先とホテルまでは盛り上がるのに、現地のネットをどうするかは出発直前まで宙に浮きがちですよね。
しかも学生グループならではの事情があります。人数が多い。予算はできるだけ抑えたい。到着後は写真や動画をすぐ投稿したい。そのうえ、現地では「買い物組」と「カフェ組」みたいに、だいたい途中で分かれます。
ここで効いてくるのが1人1回線で完結する海外eSIMです。eSIMとは、スマホ本体にダウンロードして使うデジタル版のSIMのこと。カードの差し替えも、ルーターの受け取り・返却もありません。全員が自分のスマホで通信できるので、別行動になっても連絡が途切れずに済みます。
とはいえ、初めてだと不安もあるはずです。「自分のスマホは対応してる?」「日本の電話番号はどうなる?」「結局レンタルWi-Fiとどっちが安いの?」といった疑問は、申し込む前に片づけておきたいところ。
この記事では、卒業旅行にそのまま当てはめられる形で、次の3点を整理します。
- eSIM・レンタルWi-Fi・海外ローミングの違いと、学生グループにどれが向くかの判断基準
- 1人あたりの費用をどう見積もるか。割り勘との比較で損しない考え方
- 申し込みから設定完了までの逆算スケジュールと、幹事がやるべきことリスト
読み終えるころには、「誰が・いつまでに・何を申し込めばいいか」が決まっている状態になります。出発前の準備から現地でのトラブル対策まで、順番に見ていきましょう。
卒業旅行の通信手段は3択|eSIM・レンタルWiFi・海外ローミングを比較
卒業旅行で使える海外の通信手段は、eSIM・レンタルWi-Fi・キャリアの海外ローミングの3つに大きく分かれます。結論から言うと、学生グループの旅行ではデータ専用の海外eSIMが扱いやすい選択肢です。理由は、全員が自分のスマホ1台で完結するから。ルーターの受け取りや返却がなく、当日の集合時間に「まだ空港カウンターに並んでる」という事態も起きません。一方で、eSIMに対応していないスマホを使っている人がいる場合や、パソコンを含めて何台もつなぎたい場合は、レンタルWi-Fiのほうが都合がいいこともあります。海外ローミングは設定の手軽さが魅力ですが、料金は1日単位で積み上がるため、日数が長い卒業旅行とは相性が良くないケースが多いです。まずは3つの違いを並べて確認しましょう。
eSIMとは?「日本の電話番号はそのまま」の意味
eSIMとは、スマホ本体に内蔵されたSIMに、通信プランをオンラインでダウンロードして使う仕組みのことです。カード型のSIMを抜き差しする必要がなく、申し込み後に届くQRコードを読み込めば設定が完了します。
ここで多くの人が気にするのが、日本の電話番号がどうなるかという点。海外用のeSIMはデータ通信専用のものが主流で、この場合はスマホに元から入っている日本のSIMはそのまま残ります。
つまり、日本の電話番号を保持したまま、海外用の通信だけを追加するというイメージです。帰国後は海外用eSIMをオフにすれば、いつも通りの状態に戻ります。
- 日本のSIM(電話番号)は残ったまま。連絡先や各種認証もそのまま使える
- 海外用eSIMで使えるのはデータ通信。音声通話はできない前提で考える
- 通話が必要な場面は、LINEなどの通話アプリで代用する(詳しくは後述します)
- 日本のSIM側のデータローミングはオフにしておくと、意図しない高額請求を避けやすい
レンタルWi-Fiとどう違う?受け取り・返却・バッテリーの差
いちばん大きな違いは「端末があるかないか」です。レンタルWi-Fiはモバイルルーターという機械を借りるので、出発前の受け取りと帰国後の返却がセットでついてきます。
卒業旅行で見落とされがちなのが、この「離れると圏外」という点です。ルーターを持っている人がトイレに行っただけで、残りのメンバーの地図が止まる。海外の慣れない街でこれが起きると、想像以上に焦ります。
物理SIMとeSIMの違いをもう少し詳しく知りたい場合は、物理SIMとeSIMの比較記事もあわせて確認してみてください。
キャリアの海外ローミングは使うべき?
ドコモ・au・ソフトバンクが提供する海外ローミングは、設定の手軽さでは一番です。申し込みも端末の準備もほぼ不要で、現地に着いてスイッチを入れるだけ、という手軽さがあります。
ただし料金の考え方が違います。ローミングは1日単位の定額が積み上がる方式が中心なので、滞在日数が長くなるほど総額が伸びやすい構造です。1泊2日の弾丸ならともかく、5日〜1週間になりがちな卒業旅行では、総額が膨らみやすい点に注意が必要です。
- 料金プランはキャリア・渡航先・時期によって異なるため、申し込み前に必ず公式サイトで最新の条件を確認する
- 定額サービスに申し込んでいないまま通信すると、想定外の請求につながるケースがある
- グループ内でキャリアがバラバラだと、条件も料金も人によって変わる
3つを並べて比較|学生グループならどれ?
3方式の特徴を整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 海外eSIM | レンタルWi-Fi | 海外ローミング |
|---|---|---|---|
| 受け取り・返却 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 荷物 | 増えない | ルーター+充電器が増える | 増えない |
| 別行動への強さ | 強い(1人1回線) | 弱い(端末の近くのみ) | 強い(1人1回線) |
| 料金の考え方 | データ量と日数で選ぶ | 1日あたりのレンタル料 | 1日あたりの定額が積み上がる |
| 必要な条件 | eSIM対応スマホ/SIMロック解除済み | 特になし | 契約中のキャリアのプランに準じる |
| 向いている人 | 自分のスマホで身軽に動きたい人 | eSIM非対応端末の人/PCも使う人 | 超短期の滞在・設定を一切したくない人 |
この表を卒業旅行に当てはめると、判断はシンプルになります。
- 全員のスマホがeSIM対応なら、海外eSIM。別行動が前提のグループ旅行と相性がいい
- 数人だけ非対応端末なら、その人だけレンタルWi-Fiや別手段を検討。全員を同じ方法に揃える必要はない
- 滞在が1〜2日と極端に短いなら、ローミングも選択肢。ただし日数が延びるほど不利になりやすい
「全員で同じものを使わなきゃ」と考えると話がまとまりませんが、通信手段は1人ずつバラバラでも問題ありません。ここが決まれば、次に気になるのはお金の話ですよね。次の章で、1人あたりの費用をどう見積もるかを整理します。
学生グループでeSIMが割安になる理由|1人あたりの費用の考え方
海外の通信費を比べるときは、総額ではなく「1人あたり1日いくらか」に換算すると判断がぶれません。eSIMが学生グループで扱いやすいのは、人数が増えても1人1回線で完結し、受け取り窓口の待ち時間や返却の手間といったお金以外のコストが発生しにくいからです。レンタルWi-Fiを1台借りて割り勘すれば、1人あたりの金額だけを見れば安くなるケースもあります。ただし、その安さは「全員がずっと一緒に行動する」ことが前提。卒業旅行のように途中で自由行動が入るなら、その前提は崩れがちです。ここでは具体的な金額ではなく、自分たちの旅程に当てはめて計算できる考え方を整理します。料金そのものはサービスや渡航先、時期によって変わるため、最終的な金額は必ず公式サイトで確認してください。
費用は「1人あたり1日いくら」に換算する
プランの料金表は、日数もデータ量もバラバラで並んでいます。そのまま比べても、どれが得なのか分かりません。
そこで、次の式に揃えてしまうのがおすすめです。
| eSIM | プラン料金 ÷ 利用日数 = 1人あたり1日の通信費 |
| レンタルWi-Fi | (レンタル料 + 補償料 + 送料等)÷ 利用日数 ÷ 共有する人数 |
| ローミング | 1日あたりの定額 × 実際に使う日数(使わない日は除く) |
ポイントは、レンタルWi-Fiの式にレンタル料以外の項目が入ることです。補償オプションや空港受け取り以外を選んだ場合の送料は、見積もりから抜け落ちやすい部分。ここを入れずに比べると、実際の支払額とズレます。
ルーター1台を割り勘するより得?損?
よくある案が「1台借りてみんなで割り勘」です。人数で割るぶん、1人あたりの金額はたしかに下がります。
ただし、判断材料は金額だけではありません。行動パターン別に見ると、向き不向きがはっきり分かれます。
| 旅のスタイル | ルーター割り勘 | 1人1回線のeSIM |
|---|---|---|
| 常に全員で行動する | 向いている | どちらでも可 |
| 自由行動の日がある | 不向き(分かれた側が圏外) | 向いている |
| 行き帰りの便が人によって違う | 不向き(受け渡しが発生) | 向いている |
| 買い物や食事で二手に分かれる | 不向き | 向いている |
| 各自がSNS投稿を頻繁にする | 1台にデータ消費が集中しやすい | 各自のデータ量で管理できる |
卒業旅行は、初日から最終日までフル同行というスケジュールのほうが珍しいはずです。自由行動の予定が1日でもあるなら、割り勘の安さは成立しにくくなります。
もうひとつ、地味に面倒なのが精算です。誰が立て替えて、いつ回収するのか。帰国後に「あと2人まだ払ってない」という状態は、正直やりたくないですよね。1人1回線なら、各自が自分の分を申し込むだけで完結します。
現地SIMや空港レンタルと比べてどう?
現地の空港で売っているSIMカードや、当日カウンターで借りるWi-Fiも選択肢です。ただし、卒業旅行という条件で見ると弱点があります。
- 到着後に行列に並ぶことになり、グループ全員分となると時間がかかる
- 説明が現地の言語や英語のみで、プラン内容を理解しないまま契約しがち
- SIMカードを入れ替える場合、日本のSIMを紛失するリスクがある
- 在庫や営業時間の都合で、深夜着の便だと買えないことがある
- トラブルが起きても、日本語で相談できる窓口がないケースが多い
対してeSIMは、日本にいるうちに申し込みと設定まで終えられます。到着後にやることが「オンにするだけ」になるのは、大人数で動く卒業旅行では大きな差です。
学生が見落としがちな「隠れコスト」
料金表の数字だけを比べると、あとから増える費用を見落とします。実際の負担には、次のような項目が乗ってきます。
- ✓データを使い切ったときの追加チャージ費用
- ✓レンタルの場合の補償オプション料と、破損・紛失時の弁償額
- ✓受け取り・返却にかかる送料や、空港カウンターでの待ち時間
- ✓ルーターを充電するためのモバイルバッテリー代
- ✓返却遅れによる延滞料金(帰国日が人によって違うグループは要注意)
とくに最後の返却遅れは、卒業旅行で起きがちです。「現地でもう数日延泊する人がいる」「帰りの便が別々」といったケースでは、端末の受け渡しと返却期限の管理が誰かの仕事になります。
eSIMなら返すものがないので、この心配自体がなくなります。お金の差が小さくても、幹事の負担という意味では差がつくという見方をしておくといいでしょう。
費用の考え方が整理できたら、次は実際に選ぶ段階です。申し込み前に確認すべき項目を絞って見ていきます。
卒業旅行向け海外eSIMの選び方|チェックすべき5項目
卒業旅行用の海外eSIMは、渡航先の対応・データ量・端末のeSIM対応の3点を先に確認すると失敗しにくいです。ここにテザリングの可否とサポート体制を加えた5項目が、申し込み前のチェックリストになります。順番も大事で、いちばん最初に見るべきは自分のスマホがeSIMに対応しているかどうか。ここが対応していなければ、どんなに条件のいいプランでも使えません。逆に言えば、端末の確認さえ済めば、あとは行き先と日数とデータ量を当てはめるだけで候補はかなり絞れます。グループで申し込む場合は、全員分をまとめて同じ条件で確認するのが効率的です。幹事が5項目をリスト化して共有し、各自に自分の端末だけ確認してもらう形にすると、話が早く進みます。
自分のスマホはeSIM対応?確認方法は?
最初に確認するのはここです。eSIMは対応端末でしか使えません。
SIMロックとは、特定のキャリアの回線でしか使えないように端末にかけられた制限のことです。現在販売されている端末は原則として解除された状態ですが、数年前に購入した端末を使い続けている場合は、念のため確認しておくと安心です。
渡航先は対応している?複数国をまわるときの考え方
eSIMのプランは、対応している国や地域が決まっています。行き先が1カ国なら、その国のプランを選ぶだけでシンプルです。
迷いやすいのは、卒業旅行にありがちな周遊ルートのとき。ヨーロッパで複数都市をまわる、アジアを2カ国ハシゴする、といったケースですね。
- 1カ国のみ:その国に対応した単国プランを選ぶ
- 同じエリア内で複数国:対象国がまとめてカバーされている周遊プランを確認する
- エリアをまたぐ移動がある:対応国リストに全ての訪問先が入っているかを1つずつ照合する
- トランジットで長時間滞在する国がある:その空港がある国も使う可能性があるため、対応範囲を確認しておく
注意したいのは、対応国リストは必ず自分の目で照合すること。「ヨーロッパ対応」と書かれていても、訪問予定の国が含まれていないことはあり得ます。対応国数の多さよりも、行く国が入っているかが判断基準です。
データ量はどれくらい必要?旅行スタイル別の目安
データ量は多すぎても無駄になり、少なすぎると現地で足りなくなります。卒業旅行では、写真や動画の投稿が増える分だけ消費が早くなる傾向があります。
| 使い方 | 主な用途 | データ消費の傾向 |
|---|---|---|
| ライト | 地図・LINEのやり取り・検索が中心 | 消費は少なめ。写真投稿はホテルのWi-Fiで済ませるスタイル |
| 標準 | 地図・SNS閲覧・写真投稿・調べもの | 卒業旅行の多くはこのあたり。1日を通してこまめに使う想定 |
| ヘビー | 動画のアップロード・ストーリー投稿を頻繁に行う/動画視聴 | 消費がかなり早い。とくに動画の送受信は大きく伸びやすい |
データ量の消費は利用環境や使い方によって大きく変わるため、正確な予測は難しいのが実情です。目安としては、動画のアップロードや視聴をよくする人ほど多めのプランを選ぶ、という方向で考えるといいでしょう。
- 迷ったら1段階上のプランを選ぶ。現地で足りなくなるほうが困る
- 追加チャージができるサービスかどうかを、申し込み前に確認しておく
- ホテルや飲食店のWi-Fiを併用する前提で考えると、消費を抑えやすい
- 写真や動画の自動バックアップは、モバイルデータ通信でオフにしておく
テザリングはできる?「代表1人が契約」がうまくいかない理由
「1人だけeSIMを契約して、その人からテザリングで全員つなげばいいのでは」と考える人もいるはずです。
結論から言うと、この方法はおすすめしません。テザリングの可否はサービスやプランによって条件が異なるうえ、仮にできたとしても実用面で無理が出ます。
- ✕その人と離れた瞬間、他のメンバーが圏外になる
- ✕テザリングは電池の消費が激しく、代表者のスマホが先に落ちる
- ✕全員分のデータ消費が1回線に集中し、データ量を一気に使い切る
- ✕プランによってはテザリングが利用できない場合がある
テザリングは「ノートパソコンを少し使いたい」といった補助的な用途なら便利ですが、グループ全員の通信を支える手段としては現実的ではありません。使いたい場合は、申し込み前にテザリング可否を公式サイトで確認しておきましょう。
サポートは日本語?現地で困ったときの窓口
初めての海外eSIMで意外と効いてくるのが、サポート体制です。設定でつまずいたとき、現地でつながらなくなったとき、どこに聞けばいいか。
とくに学生グループの場合、詳しい人が1人いても、その人が全員分のトラブルを解決することになりがちです。日本語で問い合わせできる窓口があるかどうかは、あらかじめ確認しておくと安心材料になります。
- ✓自分のスマホはeSIM対応か/SIMロックは解除済みか
- ✓訪問予定の国がすべて対応リストに入っているか
- ✓旅行スタイルに合ったデータ量か/追加チャージは可能か
- ✓テザリングを使う予定があるなら、その可否
- ✓日本語のサポート窓口があるか/対応時間はいつか
この5項目をグループのトークにそのまま貼って、各自に確認してもらうのが手っ取り早い進め方です。
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選ぶ基準が固まったら、あとは準備のタイミングです。次の章で、出発日から逆算したスケジュールを整理します。
出発前の準備術|申し込みから設定完了までの手順
海外eSIMは、出発の数日前までに申し込み、日本の通信環境が安定しているうちにインストールまで終えておくのが安全です。当日でも間に合うケースはありますが、卒業旅行のように人数が多い場合は前倒しが鉄則。誰か1人でも設定につまずくと、出発当日の空港でグループ全体が足止めされます。やることは大きく4つで、申し込み → QRコードの受け取り → インストール → 現地で開通という流れです。ポイントは、インストールまでを日本で済ませ、実際に通信を開始するのは現地に着いてから、という分け方。プランによって開通のタイミングやカウントの始まり方が異なるため、申し込み時に利用開始日の指定方法を必ず確認しておきましょう。ここでは、幹事が全員を動かすための逆算スケジュールもあわせて整理します。
いつまでに申し込む?出発日からの逆算スケジュール
準備は「出発日の何日前に何をするか」で管理すると抜けが出ません。目安は次のとおりです。
| タイミング | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 2週間前まで | 全員の端末がeSIM対応か確認。SIMロックがかかっている人は解除手続きを進める | 各自 |
| 1週間前まで | 渡航先・日数・データ量を決め、使うプランをグループで共有する | 幹事 |
| 3〜5日前 | 各自で申し込み。QRコードが届いたか確認する | 各自 |
| 2〜3日前 | 自宅のWi-Fi環境でeSIMをインストール。完了したことを報告する | 各自 |
| 前日 | 設定内容を最終確認。未完了の人がいないかを幹事がチェック | 幹事 |
| 出発当日・現地到着後 | 海外用eSIMをオンにして通信を開始する | 各自 |
SIMロック解除が必要な人がいる場合は、この工程だけ時間がかかります。だから端末チェックを2週間前に置いているわけです。ここが遅れると全体がずれ込みます。
グループでまとめて申し込むときの進め方
人数が多いほど、情報を何度も説明し直すのが大変ですよね。幹事が動くときは、次の順番でまとめると伝達ミスが減ります。
なお、支払いを1人がまとめて立て替える形にすると、精算の手間が戻ってきます。各自が自分の分を申し込む形にしたほうが、結果的にラクです。
QRコードのインストールはどこでやる?日本で済ませるべき理由
申し込みが完了すると、メールなどでQRコードが届きます。これを読み込むことでeSIMがスマホにインストールされます。
ここで守りたいのが、インストールは日本にいるうちに、安定したWi-Fi環境で行うという点です。理由はシンプルで、eSIMのダウンロードには通信が必要だから。現地の空港でやろうとすると、フリーWi-Fiが混雑していて読み込めない、ということが起こり得ます。
- QRコードは原則1回しか読み込めない。誤って別の端末で読み込まないよう注意する
- QRコードが届いたメールは削除せず、スクリーンショットも保存しておく
- 読み込みは別の画面(パソコンや友達のスマホ)にQRを表示して、自分のスマホのカメラで読み取る方法が確実
- インストール直後はまだ通信が始まらない設定になっている場合がある。開通のタイミングは申し込み時の案内を確認する
グループでまとめて作業する場合は、誰かのパソコンにQRコードを表示して順番に読み込む、という進め方もできます。ただし自分宛てのQRコードを読み込む点だけは取り違えないようにしましょう。
出発前に確認する設定|データローミングとAPN
インストールが終わったら、最後に設定を整えます。ここを間違えると、現地で「つながらない」「日本のSIMで高額請求」のどちらかが起きます。
- モバイルデータ通信の回線を海外用eSIMに切り替える。日本のSIMのままだと海外用プランが使われません
- 日本のSIM側のデータローミングをオフにする。意図しない海外通信を防げます
- 海外用eSIM側のデータローミングはオンにする。サービスによって必要な設定が異なるため、案内に従ってください
- APNの設定が必要かどうかを確認する。自動で設定されるサービスが多いものの、手動入力が必要な場合もあります
APNとは、スマホがインターネットにつなぐときに使う接続先の情報のことです。手動設定が必要な場合は、サービス側から指定された内容をそのまま入力します。設定手順の詳細はAPN設定ガイドで確認できます。
「データローミングをオンにすると高額請求になるのでは」と不安になるかもしれませんが、これは日本のSIM側の話です。海外用eSIMは購入したプランの範囲内で使う仕組みなので、切り分けて理解しておけば混乱しません。
ここまでできれば、出発前の準備は完了です。あとは現地でオンにするだけ。次の章では、着いてから困らないための対策を見ていきます。
現地で困らないための対策|通話・トラブル・セキュリティ
データ専用eSIMは音声通話ができないため、通話はLINEなどの通話アプリで代用するのが基本です。卒業旅行のように全員が同じアプリを使っているグループなら、実用上はほとんど困りません。むしろ気をつけたいのは、通信そのものが使えなくなったときの備えです。現地に着いてつながらない、スマホのバッテリーが切れた、はぐれた、といった場面は珍しくありません。対策はシンプルで、集合場所とホテル情報をオフラインでも見られる形にしておくことと、つながらないときの確認手順を事前に知っておくことの2つ。どちらも出発前の5分で済みます。加えて、カフェや空港のフリーWi-Fiを使う場面では、通信内容を見られるリスクがある点も押さえておきましょう。
データ専用eSIMで通話はどうする?
海外用のデータ専用eSIMでは、電話番号を使った音声通話はできません。かわりに使うのが、データ通信で動く通話アプリです。
| 連絡したい相手 | 方法 | 事前準備 |
|---|---|---|
| 旅行メンバー | LINEなどの通話アプリ・グループトーク | 全員がグループに入っているか確認 |
| 日本の家族 | 通話アプリのビデオ通話・音声通話 | 家族側もアプリを使えるか確認しておく |
| 現地のホテル・レストラン | メール予約/宿の公式サイトのチャット/フロント経由 | 予約確認メールをスクリーンショットで保存 |
| 航空会社・緊急時の窓口 | 公式サイトのチャット/メール/ホテルの固定電話 | 連絡先をメモアプリに控えておく |
困りやすいのは、電話でしか受け付けていない現地の窓口に連絡したいときです。こういう場面では、ホテルのフロントに頼んで電話をかけてもらう方法が確実。数としては多くないので、通話が使えないことが旅行全体のネックになるケースはまれです。
音声通話つきとデータ専用の違いをもう少し詳しく知りたい場合は、通話付きSIMとデータ専用SIMの比較記事もあわせて確認してみてください。
つながらないときは?現地での確認手順
現地に着いてオンにしたのに圏外のまま。焦る場面ですが、原因の多くは設定の見落としです。上から順に確認していきましょう。
この手順をスクリーンショットで保存しておくと、現地で通信できない状態でも見返せます。グループの全員に配っておくと、質問が幹事に集中するのを防げます。
はぐれたときの備えは?オフラインでも困らない準備
人数が多いほど、はぐれる確率は上がります。しかも海外だと、合流の難易度が一気に跳ね上がります。
- ✓ホテル名・住所・電話番号をスクリーンショットで保存する(現地の言語表記もあると理想)
- ✓地図アプリで滞在エリアのオフラインマップをダウンロードしておく
- ✓「はぐれたらこの場所・この時間に集合」をグループで先に決めておく
- ✓モバイルバッテリーを各自1つ持つ。スマホが切れると全部の対策が無効になります
- ✓パスポートと航空券の控えを撮影して保存しておく
ここでも効いてくるのが1人1回線です。全員が自分の通信を持っていれば、はぐれても位置情報の共有やトークで合流できます。ルーター共有では、はぐれた側が何もできません。
フリーWi-Fiは使っていい?安全に使うコツ
データ量を節約したくて、カフェや空港のフリーWi-Fiに飛びつきたくなる場面はあります。ただし、鍵のかかっていない公衆Wi-Fiは、通信内容を第三者に見られるリスクがある点は知っておきましょう。
- ✕ネットバンキングやクレジットカード情報の入力
- ✕重要なアカウントへのログインやパスワード変更
- ✕提供元がはっきりしないアクセスポイントへの接続
- ✕自動接続の設定をオンにしたままの放置
自分の回線を持っていれば、こうした場面で無理にフリーWi-Fiを使う必要がなくなります。重要な操作は自分のeSIM回線で、動画視聴などデータを使う操作はホテルのWi-Fiでという使い分けが現実的です。
公衆Wi-Fiのリスクと対策については、海外でのセキュリティ対策の記事で詳しく整理しています。
ここまでの内容を押さえておけば、現地で通信に困る場面はかなり減らせます。最後に、よく聞かれる疑問をまとめて確認しておきましょう。
よくある質問
-
A単純な金額だけを見ると、ルーター1台を人数で割り勘するレンタルWi-Fiのほうが1人あたりは安くなるケースがあります。ただしこれは全員が常に一緒に行動する前提での話です。自由行動の日があると、ルーターを持っていない側は通信できません。また、補償料や送料、返却の手間も含めて比べる必要があります。1人あたり1日いくらに換算したうえで、旅程に自由行動が含まれるかどうかで判断するのがおすすめです。
-
A海外用のデータ専用eSIMを追加する形なら、日本のSIMはそのまま残るため電話番号も維持されます。海外用eSIMはデータ通信だけを担当し、日本の番号は引き続きスマホに入っている状態です。帰国後に海外用eSIMをオフにすれば、いつも通りの環境に戻ります。ただし日本のSIM側でデータローミングがオンになっていると意図しない通信が発生する可能性があるため、出発前にオフにしておくと安心です。
-
A出発の3〜5日前までに申し込み、2〜3日前までに自宅のWi-Fi環境でインストールを済ませておく流れが安全です。グループで行く場合は、SIMロック解除が必要な人が出る可能性もあるため、端末がeSIMに対応しているかの確認だけは2週間前を目安に終わらせておくとスムーズです。インストールには通信が必要なので、現地の空港で行うのは避けたほうが確実です。
-
A訪問する国がすべて対応範囲に含まれている周遊プランであれば、1つで対応できます。大切なのは対応国数の多さではなく、自分たちが行く国がリストに入っているかどうかです。エリア名だけで判断せず、対応国リストと旅程を1つずつ照合してください。トランジットで長時間滞在する国がある場合は、その国も使う可能性があるため合わせて確認しておくと安心です。
-
Aプランによって扱いが異なり、速度が制限されるものや、通信が停止するものがあります。多くのサービスではデータを追加でチャージできますが、対応可否は事前に確認が必要です。旅行中に足りなくなると現地で慌てることになるため、申し込み時に追加チャージの方法をあわせて調べておきましょう。写真や動画の自動バックアップをオフにしておくと、消費を抑えやすくなります。
-
AeSIMに対応したAndroid端末であれば利用できます。確認方法は、設定からネットワーク関連の項目を開き、SIMの追加やeSIMの項目があるかを見る形です。表示名は機種によって異なるため、分かりにくい場合は機種名とeSIMで検索し、メーカー公式サイトの記載を確認するのが確実です。iPhoneの場合は、設定の一般から情報を開き、EIDの表示があれば対応しています。
-
Aおすすめしません。テザリングの可否はプランによって条件が異なるうえ、できたとしても代表者と離れた瞬間に他のメンバーが圏外になります。さらに全員分のデータ消費が1回線に集中し、代表者のスマホはバッテリーの減りも早くなります。結果的にレンタルWi-Fiを1台共有するのと同じ弱点を抱えることになるため、1人1回線で申し込むほうが安全です。
- 自由行動の予定があるグループなら、1人1回線のデータ専用eSIMが扱いやすい
- 費用は総額ではなく「1人あたり1日いくら」に換算して比べる
- 申し込み前に確認するのは、端末のeSIM対応・渡航先・データ量・テザリング可否・サポート体制の5つ
- 端末チェックは2週間前、申し込みは3〜5日前、インストールは日本のWi-Fi環境で
- 通話は通話アプリで代用し、集合場所とオフラインマップを事前に共有しておく
荷物を減らして快適に旅するなら、X GLOBAL SIM!
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