自宅WiFiのセキュリティ設定は、「暗号化方式をWPA3かWPA2(AES)にする」「推測されにくいWiFiパスワードにする」「ルーター管理画面のパスワードを変える」「ファームウェアを最新にする」の4つが基本です。どれもルーターの管理画面から10〜15分ほどで確認できます。ただ乗りされていないかは、管理画面の「接続機器一覧」でチェックできます。
「家のWiFi、もしかして誰かに使われてる?」
「買ったときのまま使っているけど、大丈夫なのかな」
そんなふうに気になったこと、ありますよね。
WiFiは電波でつながるので、壁の向こうや家の外にも届きます。
設定が甘いままだと、近くの誰かに勝手につながれたり、通信をのぞき見られたりするおそれがあります。
総務省も、自宅WiFiの利用者向けに「セキュリティ方式」「パスワード」「ファームウェア」などの確認ポイントをまとめたマニュアルを公開しています(出典:総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用」/自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル 令和7年2月版)。
裏を返すと、専門知識がなくても、決まった場所を順番に見直せば十分に対策できるということです。
この記事では、次のことがわかります。
- のぞき見・ただ乗りで実際に起きること
- WPA3・WPA2・WEPの違いと、今の方式の確認方法
- ルーターのセキュリティ設定の手順
- ただ乗りの見つけ方と、見つけたときの対処
自宅WiFiを放置すると何が起きる?のぞき見・ただ乗りのリスク
自宅WiFiのセキュリティ設定を放置すると、通信ののぞき見・ただ乗り・ルーターの乗っ取りといった被害につながるおそれがあります。
WiFiの電波は、だいたい家の外まで届いています。
アパートやマンションなら、隣の部屋や廊下からでも電波が拾えることは珍しくありません。
そのため、暗号化が弱い・パスワードが簡単・ルーターが古いままという状態だと、第三者に入り込まれるすき間ができてしまいます。
リスクは大きく分けて3つです。
| リスク | 起きること | 主な原因 |
|---|---|---|
| のぞき見(盗聴) | 通信内容やログイン情報を見られる | WEPなど古い暗号化方式 |
| ただ乗り | 速度低下・通信の悪用 | 推測しやすいWiFiパスワード |
| ルーターの乗っ取り | 設定の書き換え・攻撃の踏み台 | 初期の管理パスワード・古いファームウェア |
のぞき見(通信傍受)で起きること
のぞき見とは、WiFiでやりとりしているデータを第三者に読み取られることです。
暗号化方式が古いと、電波を拾われたうえで暗号を解かれてしまう可能性があります。
いまは多くのWebサイトがHTTPS(通信を暗号化する仕組み)に対応しています。
そのため、WiFiが破られても中身がすべて丸見えになるわけではありません。
ただ、家の中の機器同士の通信や、暗号化されていない古いサービスは守られません。
判断基準:ルーターの暗号化方式が「WEP」や「WPA(TKIP)」なら、すぐに見直しが必要です。
ただ乗りで起きること(速度低下・犯罪の踏み台)
ただ乗りとは、契約していない第三者があなたのWiFiに勝手につなぐことです。
よくある影響は「夜になると急に遅い」といった速度低下です。
もっと困るのは、ただ乗りした人の通信が、あなたの回線から出ていったように見える点です。
悪意のある使われ方をした場合、身に覚えのない問い合わせにつながるケースも考えられます。
- ✕誰も使っていない時間帯もルーターのランプが激しく点滅する
- ✕ポケットWiFiのデータ量が、使った覚えより多く減っている
- ✕WiFiパスワードを何年も変えておらず、来客にも教えたことがある
確認方法は、後半でくわしく解説します。
IoT機器・スマート家電経由の侵入
見落としやすいのが、ネットワークカメラやスマートスピーカー、テレビなどのIoT機器です。
こうした機器は初期パスワードのまま使われやすく、更新も後回しにされがちです。
警視庁や各県の警察も、家庭用ルーターに身に覚えのないVPN設定などを仕込まれ、サイバー攻撃の踏み台にされる手口について注意を呼びかけています。
判断基準:家にあるネットにつながる機器を数えて、「初期設定のまま」のものがないか一度確認しましょう。
まず確認したい暗号化方式|WPA3・WPA2・WEPの違い
WPA3とは、WPA2の後継として2018年に策定された最新のWiFi暗号化方式です。自宅WiFiでは「WPA3」か「WPA2(AES)」を選べば、基本的な安全性は確保できます。
暗号化方式(セキュリティ方式)は、WiFiの通信を第三者に読まれないようにするための「鍵のかけ方」です。
総務省の自宅Wi-Fi利用者向けマニュアルでも、セキュリティ方式は「WPA2またはWPA3」を選ぶことが1つ目のポイントとして挙げられています(出典:総務省 自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル/令和7年2月版)。
逆にいうと、WEPや初代WPAは今の基準では「使わないほうがいい方式」です。
古いルーターや、昔の設定を引き継いでいる場合は要注意です。
暗号化方式の比較表(WEP/WPA/WPA2/WPA3)
| 方式 | 安全性 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| WEP | 低い | 短時間で解読される弱点が知られている | 使わない |
| WPA(TKIP) | 低い | WEPの応急処置として登場した古い方式 | 使わない |
| WPA2(AES) | 高い | 現在もっとも広く使われている標準的な方式 | OK |
| WPA3 | より高い | パスワードの総当たり攻撃に強い最新方式 | 対応していれば最優先 |
WPA2には「TKIP」と「AES(CCMP)」という2種類の暗号の仕組みがあります。
同じWPA2でも、選ぶべきはAESです。
「WPA2-PSK(AES)」のように表示されていれば問題ありません。
WPA3とWPA2どっちを選ぶ?
WPA3とWPA2の大きな違いは、パスワードを総当たりで当てる攻撃への強さです。
WPA3は「SAE」という新しい認証の仕組みを使っていて、盗み取った通信をもとに手元でパスワードを解析する攻撃がしにくくなっています。
ただし、古いスマホやゲーム機、家電はWPA3につながらないことがあります。
判断基準:ルーターの設定に「WPA3」の選択肢があれば、まず移行モードにする。古い機器を手放したタイミングで「WPA3のみ」に切り替える、という流れがスムーズです。
今の暗号化方式を確認する方法
ルーターの管理画面に入らなくても、つないでいる端末から確認できます。
OSのバージョンによって表示場所が少し違うことがあります。
| 端末 | 確認方法 |
|---|---|
| iPhone | 「設定」→「Wi-Fi」。古い方式のネットワークには「セキュリティ保護が弱い」と警告が出る |
| Android | 「設定」→「ネットワークとインターネット」→接続中のWiFiの歯車→「セキュリティ」欄 |
| Windows | 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→接続中のネットワークのプロパティ→「セキュリティの種類」 |
| Mac | Optionキーを押しながらメニューバーのWiFiアイコンをクリック→「セキュリティ」 |
判断基準:表示が「WEP」「WPA」「TKIP」なら変更が必要です。「WPA2(AES)」「WPA3」ならそのままでOKです。
変え方は次の章で解説します。
どうやって設定する?ルーターのセキュリティ設定5ステップ
WiFiのセキュリティ設定は、ルーターの管理画面で「管理パスワード」「暗号化方式」「WiFiパスワード」「ファームウェア」の4か所を見直すのが基本です。
難しそうに見えますが、やることは決まっています。
メーカーによって画面の名前は違いますが、どのルーターにもだいたい同じ項目があります。
まずは全体の流れを確認しておきましょう。
ルーターの管理画面に入る
管理画面とは、ルーターの設定を変えるための専用ページです。
WiFiにつないだスマホやパソコンのブラウザから開けます。
入り方はメーカーごとに違います。
多くの場合、ルーター本体のラベルか付属のセットアップカードに、管理画面のアドレス(例:192.168.○.1)とログイン情報が書かれています。
最近はメーカー公式のスマホアプリから設定できる機種も増えています。
判断基準:ラベルにもカードにも情報がない場合は、型番で検索してメーカー公式のマニュアルを確認しましょう。
管理画面のパスワードを変更する
ここが一番見落とされやすいポイントです。
管理画面のパスワードが初期設定のままだと、ルーターの設定そのものを書き換えられるおそれがあります。
古い機種では、同じ型番なら全台共通の初期パスワードが使われていることがありました。
2019年には、業界団体に加盟するルーターメーカー4社が、1台ごとに異なる初期パスワードや自動ファームウェア更新を新機種に搭載していると発表しています(参考:PC Watch/デジタルライフ推進協会の提言)。
それでも、自分で決めた長いパスワードに変えておくほうが安心です。
暗号化方式とWiFiパスワードを変更する
管理画面の「無線設定」「Wi-Fi設定」といったメニューで、暗号化方式とWiFiパスワード(暗号化キー)を変更します。
暗号化方式は、先に見たとおりWPA3かWPA2(AES)を選びます。
- ✓12文字以上を目安に、長めにする
- ✓英大文字・小文字・数字・記号を混ぜる
- ✓名前・誕生日・電話番号・部屋番号は使わない
- ✓管理画面のパスワードとは別のものにする
パスワードを変えると、家の全機器でWiFiのつなぎ直しが必要になります。
テレビやゲーム機など、つなぎ直しが面倒な機器が多い場合は、時間に余裕のあるときに作業しましょう。
ファームウェアを最新にする
ファームウェアとは、ルーターを動かしている内部のソフトウェアです。
メーカーは見つかった弱点(脆弱性)を直すために、ファームウェアの更新を配布しています。
管理画面の「ファームウェア更新」「メンテナンス」などから更新できます。
「自動更新」の設定があれば、オンにしておくのが確実です。
判断基準:メーカーの更新提供(サポート)が終わった機種は、設定を見直しても新しい弱点が直りません。総務省のマニュアルでも、サポート期限内のルーターを使うことが推奨されています。購入から長く経っている場合は、メーカーサイトでサポート状況を確認しましょう。
さらに安全にするための追加設定
基本の4つを済ませたら、「使わない機能をオフにする」「来客用のゲストWiFiを分ける」の2つで、自宅WiFiの安全性をもう一段上げられます。
ここで紹介するのは、必須ではないけれど効果が大きい設定です。
一方で、ネットでよく見かける「SSIDを隠す」「MACアドレスで制限する」といった方法は、効果が限られることも知っておきたいところです。
効く設定とそうでない設定を、分けて整理します。
| 設定 | 効果 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| WPSをオフ | ボタン接続まわりの弱点を減らす | 使っていなければオフ |
| UPnP・リモート管理をオフ | 外部から設定を触られるすき間を減らす | 使っていなければオフ |
| ゲストWiFi | 来客やIoT機器を家族の機器から切り離す | おすすめ |
| SSIDのステルス化 | 一覧に表示されにくくなるだけ | 補助的 |
| MACアドレスフィルタリング | 登録外の機器を弾く(偽装は可能) | 補助的 |
WPS・UPnPなど使わない機能をオフにする
WPSとは、ボタンを押すだけでWiFiにつなげる便利機能です。
ただし、PINコード方式のWPSには、総当たりで突破されやすい弱点が知られています。
UPnPは、ゲーム機などが自動でルーターの設定を変えられる機能です。
リモート管理は、家の外から管理画面に入れる機能です。
どちらも便利な反面、使っていないなら「入口を1つ減らす」意味でオフにしておくのが安心です。
判断基準:オンラインゲームやビデオ通話でつながりにくくなった場合は、UPnPだけ元に戻しましょう。WPSは、初回の接続が済んでいればオフにして困ることはほとんどありません。
ゲストWiFi(ゲストSSID)を分ける
ゲストWiFiとは、メインのWiFiとは別に用意する来客用のWiFiです。
多くのルーターで、ゲスト側から家のパソコンやNASなどが見えないように切り離せます。
判断基準:来客が多い家や、IoT機器が3台以上ある家は、ゲストWiFiを作る価値があります。
SSIDのステルス化・MACアドレスフィルタリングの効果と限界
SSIDのステルス化とは、WiFiの名前を周りの端末の一覧に出さない設定です。
ただ、専用のツールを使えば存在自体は見つけられます。
つなぐたびに名前を手入力する手間も増えます。
MACアドレスフィルタリングは、登録した機器だけを接続させる設定です。
こちらも、通信を観察すれば許可された機器のMACアドレスをまねできてしまいます。
最近のスマホは、プライバシー保護のためにWiFiごとにMACアドレスを変える機能があるので、設定が面倒になりがちです。
- ステルス化やMACアドレス制限は、暗号化とパスワードの代わりにはならない
- やるとしても「基本の設定を済ませたうえでの上乗せ」と考える
ただ乗りされていない?確認方法と見つけたときの対処
WiFiのただ乗りは、ルーターの管理画面やメーカー公式アプリにある「接続機器一覧」で、見覚えのない端末がないかを見ると確認できます。
「勝手につながれていないか」は、目で見て確認できます。
やり方はシンプルで、今つながっている機器の数と、家にある機器の数を比べるだけです。
怪しい端末があっても、パスワードを変えればまとめて締め出せます。
慌てなくて大丈夫です。
接続機器一覧で確認する
管理画面の「接続機器一覧」「クライアント一覧」「端末情報」といったメニューを開くと、今つながっている機器が並んでいます。
表示されるのは、主に機器の名前・IPアドレス・MACアドレスです。
判断基準:家族の端末をすべて照合しても1台余るなら、ただ乗りの可能性があります。
ただし、スマートスピーカーや照明など、ふだん意識しない家電が混ざっていることも多いです。
一度家電の電源を切って、一覧から消えるか試すと見分けやすくなります。
怪しい端末を見つけたときの対処手順
見覚えのない端末を見つけたら、次の順番で対処します。
- WiFiパスワードを新しいものに変える(これで今つながっている第三者は切れる)
- 暗号化方式がWPA3かWPA2(AES)になっているか確認する
- 管理画面のパスワードも変える
- 身に覚えのないVPN設定や転送設定がないか見る
- 不審な設定があれば、初期化してファームウェアを更新し、設定し直す
特定の機器だけを接続拒否する機能がある機種もあります。
ただ、相手がパスワードを知っている限り別の端末からつなげてしまうので、根本的な対策はパスワードの変更です。
被害が疑われるときは、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に相談する方法もあります。
ポケットWiFi・ホームルーターのセキュリティ設定のポイント
工事不要のポケットWiFiやホームルーターも、仕組みは光回線のWiFiルーターと同じです。
持ち歩くポケットWiFiは、カフェや駅など人の多い場所で使うぶん、周りの人の端末から見える機会が多い点に注意が必要です。
- ✓本体やステッカーに書かれた初期パスワードを、他人に見せない・可能なら変える
- ✓画面やアプリで「接続台数」をときどき確認する
- ✓データ量が想定より減っていないかチェックする
- ✓使わないときは電源を切る
たとえばクラウドSIM型ポケットWiFiの限界突破WiFiは、最大10台まで同時につなげます(2026年10月時点)。
台数に余裕があるぶん、ふだん使う台数を把握しておくと、見覚えのない接続に気づきやすくなります。
設定できる項目は機種によって違うので、取扱説明書や提供会社のサポートページで確認しましょう。
よくある質問
-
Aルーターの暗号化方式を「WPA2/WPA3(移行モード)」にするのがおすすめです。対応機器はWPA3、非対応の機器はWPA2(AES)でつながります。ルーター自体がWPA3非対応なら、WPA2(AES)で問題ありません。
-
Aステルス化だけでは不十分です。WiFiの一覧に表示されにくくなるだけで、専用のツールを使えば存在は見つけられます。暗号化方式とパスワードの設定を済ませたうえで、補助的に使う設定と考えましょう。
-
A推測されにくい長いパスワードなら、頻繁に変える必要はありません。「来客や元同居人に教えた」「見覚えのない機器がつながっていた」「初期パスワードのまま」といった場合は、そのタイミングで変更しましょう。
-
A違います。自宅WiFiは自分でルーターの設定を管理するのが対策の中心です。公衆WiFiは設定を変えられないので、正しいアクセスポイントか確認する、HTTPSのサイトだけで重要な情報を入力する、といった使う側の注意が中心になります。
-
A必要です。ポケットWiFiも電波で機器とつながる点は家のWiFiルーターと同じです。初期パスワードを人に見られないようにする、接続台数やデータ量をときどき確認する、といった基本を押さえておきましょう。
-
A年数よりも「メーカーのファームウェア更新が続いているか」で判断するのが確実です。更新の提供が終わった機種は新しい弱点が直らないため、買い替えを検討しましょう。WPA3に対応していない古い機種も、見直しのタイミングです。
工事不要ですぐにネットを使いたい方は、限界突破WiFiがおすすめ!
限界突破WiFiは、家の中はもちろん外出先でも快適にインターネットが楽しめるモバイルWi-Fiサービスです。
面倒な回線工事は一切不要で、端末が届いたその日からすぐに利用開始が可能。
「引っ越してすぐにネットを使いたい」「外でもデータ容量を気にせず動画を見たい」「複雑な設定は避けたい」という方でも、わかりやすいシンプルな料金プランとサポートで安心して利用できます。
まずは公式サイトで、対応エリアや詳しいプラン内容を確認してみてください。
